【インタビュー】2022年4月17日(日)伊庭優希・芝田奈々デュオリサイタル

【インタビュー】2022年4月17日(日)伊庭優希・芝田奈々デュオリサイタル

2022年4月17日(日)に日暮里サニーホール・コンサートサロンで伊庭優希・芝田奈々デュオリサイタルを開催いたします。リサイタルに向けて伊庭優希さん、芝田奈々さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。

インタビュー

今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。

伊庭さん:この度は不安なご時世の中、このような素敵な会場で素晴らしい機会を頂けましたことをとても嬉しく感じております。本リサイタルで一緒に演奏するピアニストの芝田奈々さんとは8年来の旧友で、高校、大学と共に同じ環境で互いの目 標や夢に向かって走り続けてきました。今回「いつか一緒に演奏したい」という夢を叶えられたことが本当に幸せです。
芝田さんは一つ一つの楽曲に対しての解釈がとても丁寧な方で、コンサートに向けて一緒に練習する度に色鮮やかに音楽が広がっていくことが楽しくて仕方ありません。当日までの限りある時間を演奏家として丁寧に過ごし、会場にいらっ しゃる全ての皆さまと暖かく幸せに満ちた1時間を過ごせますよう、一心同体となって頑張りたいです。

芝田さん:この度はこのような素晴らしいホールで、オーボエの伊庭優希ちゃんとデュオコンサートをさせて頂ける機会を頂けたこと、心から嬉しく思います。伊庭さんには、高校生の頃からお世話になっていて、出会った当時からオーボエの音色がとっても美しかったのが印象的です。何事にも頑張り屋で、お人柄も優しくいつも人に囲まれており、とにかくキラキラした存在感のある方です。私がオーボエの音色を好きになったのも、高校で伊庭さんの音を聴いた時だったと思います。 そんな伊庭さんと出会って約8年経ちますが、今日まで音楽を続けてこられた事、そしてこうやって一緒に演奏できる事への幸せを噛み締めながら、支えてくださった全員の方々への感謝の気持ちを込めて準備を進めていきたいと思います。今からとっても楽しみです!

演奏する曲の聴き所などを教えてください。

伊庭さん:本リサイタルの曲目は「ファンタジー」を中心に構成させて頂きました。
包み込むようなあたたかさ、子供のような無邪気な可愛らしさ、胸を締め付けるような切なさ等、どの曲目も作曲家の個性が光る自由かつ力強いアイディアを楽 譜からひしひしと伝わってきます。今回はオーボエとピアノの2つの楽器での演奏はもちろんのこと、それぞれソロでの演奏もございますのでお楽しみいただけますと嬉しいです。
また、私がこの曲が好きすぎるあまり、どうしても演奏したいと無理を言ってプログラムに入れていただいたジャン・フランセ作曲の「花時計」は、7つの小さ な楽章がそれぞれその時間に咲く花を表していて、どの楽章にも個性的な魅力が散りばめられた一目惚れならぬ一聴き惚れする一曲です。本来オーボエとオーケストラために書かれた作品なのですが、今回はオーボエとピアノで一味違った仕上がりをお楽しみください。

芝田さん:今回伊庭さんと決めたプログラムですが、「幻想曲」をテーマに選曲していて、それぞれに作曲家の個性が沢山詰まったどれも美しい作品ばかりです。「幻想 曲」は、作曲家の自由な発想から生まれており、作曲家の性格がよく表れています。また、即興的な中にパッションを感じることができ、それだけでなく、作曲 家と演奏者が共に作品を作り上げていく感覚が強く感じられます。
このコンサートで演奏するバッハの『半音階的幻想曲とフーガ』も、作品の前半が幻想曲で書かれていますが、幻想曲部分のアーティキュレーションや装飾の違いを含む多くの異稿があって、さらには音楽家が改変を加えた校訂譜も出版されています。このことからも、作品が常に演奏者の実践の中でも新しく生まれているように考えられるのです。実際にバッハも、“幻想曲”という自由な形式を持つ言葉を付けたのは、演奏者自身の表現との融合を含めた意味があるとも推測できます。
そんな「幻想曲」の魅力を沢山の方々に味わって頂けましたら、嬉しく思います。

あなたにとって音楽とは何ですか。

伊庭さん:私の人生において音楽とは絆です。
大好きな家族や私を厳しく且つあたたかく導いてくださった先生方、困った時にすぐに手を差し伸べてくれる優しい先輩方、頼りない私を慕ってくれる後輩ちゃん達、共に切磋琢磨して成長しあった同期の仲間達、そして私の演奏を楽しみにしてくれるお客様全てと音楽を通じて関わることで、私の人生は何倍にも何十倍にも色鮮やかに深く深く育まれたと感じております。
どれだけ絶望的な状況であったとしても寄り添い、励まし、背中を押してくれるたくさんの人達と出会うきっかけをくれた音楽を通じて、今度は私が皆さんの人生に少しでも幸せな時間をお返ししていけるような存在でありたいなと考えながら、今日もこの一癖も二癖もあるオーボエという魅力的な楽器と頭を悩ませながら向き合っています。

芝田さん:音楽は、私にとって唯一自分を表現できる時間を作ってくれる存在です。私は子 供の頃から、自分に自信を持てないからか、意思が無く人に合わせてばかりの性格であり、今でもそんな自分の性格が悩みで自己嫌悪に陥ることもあります。(笑)なので、高校生の頃に一度ピアノも辞めようと思った時がありました。しかし、伊庭さんとも一緒に過ごした高校のクラスの担任の先生に、「良くも悪くもあなたの音楽には個性があって、あなたは弾く側の人間だよ。」と仰って頂けて、その言葉に本当に救われましたし、その時からピアノに打ち込んでる時の自分は好きになる事ができました。今も悩んでいる時や辛い時にピアノを弾くと、 音色ざ暗くなってしまって何も表現できなくなってしまいますが、音楽と触り合っている中で、「こう弾きたい!こう表現したい!」と心が躍る瞬間は、ありのままの素直な自分でいれる感覚があって、幸せな気持ちになります。ですので、今も自分が何をしたいのか分からなくなった時はまずはピアノを弾き ます。私にとって音楽は、生きていく中で必要不可欠だと感じます。

演奏会情報

2022年4月17日(日)伊庭優希・芝田奈々デュオリサイタル
会場:日暮里サニーホール・コンサートサロン
時間:19:30開演(19:00開場)
料金:全席自由 2,500円

出演者

伊庭優希
Yuki Iba,オーボエ

取手聖徳女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部を経て2021年同大学研究生を修了。2019年にヤマハ管楽器新人演奏会木管部門、2021年に第80回東京国際芸術協会新人演奏会に出演。これまでにオーボエを眞山美保、蠣崎耕三、最上峰行、浦丈彦、高橋舞の各氏に師事。現在首都圏を中心に演奏活動を行っている。

芝田奈々
Nana Shibata,ピアノ

取手聖徳女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部を経て、現在同大学大学院音楽研究科1年に在学中。ピティナピアノコンペティション連弾上級金賞。在学中、student concert、室内楽演奏会に出演。これまでにピアノを末木裕美、和田仁、江澤聖子、玉置善己、清水和音に、デュオを石岡久乃、加藤真一郎の各氏に師事。

曲目

P.ピエルネ:オーボエとピアノのための田園幻想曲

G.P.テレマン:無伴奏オーボエのための12の幻想曲より 第1番 イ長調

J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903

C.ニールセン:オーボエとピアノのための幻想的小品 Op.2

J.フランセ:花時計