全日本ジュニアクラシック音楽コンクール

47th
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第32回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員所感Message from judges

東京国際芸術協会会長、東邦音楽大学特任教授太田幸子先生から総評をお寄せいただきました。今後コンクールにご応募を予定していらっしゃる親御様、御本人、また生徒の参加を予定していらっしゃる先生方への貴重なメッセージとなっております。

総 評

春は生命の息吹を感じますが、今年は花冷えの寒さの中で桜を長く楽しめる事になりました。

4月3日、第32回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全日程が無事終了致しました。大変多くの皆様にご参加を頂きました事を、心より篤く御礼申し上げます。

今回、小学生高学年、大学生の部を審査させて頂きましたが、全国大会にご出演の皆様は良く弾き込まれて、表現力のある安定した力を発揮された演奏が多数ありました。

小学生の皆様は、特に選曲を大切にして欲しいと思います。年々、小学生とは思えない大曲、難曲が増えており、テクニック上は何の問題もないのですが、表現力、作曲家の求めている音色等でどうしても年齢的に無理な曲がありました。コンクールという性格上、高得点に結びつかない結果になってしまい、残念に思います。

現代は二分化、又格差の時代と言われている中で、実に多種多様な音楽が溢れております。特に低学年の生徒さんの中には、身近に聴こえてくるアニメ、ポピュラーの音楽だけにしか興味を示さない人々も多い中で、当コンクールに出演された方々の音楽的レベルの高さを、大変うれしく思いながら審査をさせて頂きました。

クラシック音楽の真髄は、大変時間のかかるものです。研究心、努力、忍耐、経済面、何よりも、演奏する作曲家に深い敬愛を持つ事等々。音楽を追求する事により、人間の精神と肉体が高まり、人間形成においても必ずプラスになる事でしょう。

次回も皆様のご健闘をお祈り申し上げます。コンクール開催にあたり、ご尽力頂きました先生方、スタッフの皆様に、心より御礼申し上げます。

一般社団法人東京国際芸術協会 会長
東邦音楽大学 特任教授
太田 幸子