井上愛悠奈さん(ヴァイオリン部門大学生の部第1位)第4回東京国際管弦声楽コンクール入賞者インタビュー

井上愛悠奈さん(ヴァイオリン部門大学生の部第1位)第4回東京国際管弦声楽コンクール入賞者インタビュー

第4回東京国際管弦声楽コンクール入賞者インタビュー

井上愛悠奈 ヴァイオリン部門大学生の部 第1位

M.ラヴェル/ツィガーヌ

Q.ご入賞された今のお気持ち・感想を聞かせてください。

――この度は素晴らしい賞をいただきまして、本当にありがとうございます。私がずっと弾くのを憧れていたツィガーヌで本選に臨めたということもあり、私の中のベストを本番でも出し切れたら良いなと強く思いながら演奏させていただきました。ただ、本番では緊張してしまい、自分の中で納得がいかない部分もありました。自分の予想外の結果をいただけて、驚きと共にとても嬉しい気持ちでいっぱいです。

Q.当コンクールに参加されたきっかけを聞かせてください。

――こちらのコンクールが設立されて以来存じ上げており、いつか出演してみたいなと思っておりました。自分が現在研鑽を積んでいる自由曲で参加させていただけるのも魅力的でした。

Q.本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。

――今回演奏させていただいたツィガーヌは、昔から私がずっと演奏したいと思っていた曲でした。選曲理由は、ツィガーヌの華やかで堂々とした曲想が私の演奏スタイルに合っていると思ったからです。また、ロマの音楽の独特な和声感にも惹き込まれました。この曲の聴きどころは、冒頭部ヴァイオリンソロのG線のみで演奏する太く哀愁の漂う音から、ハーモニクスで演奏する妖精の世界のような不思議な音、左手と右手を駆使したピッツィカートまで、ヴァイオリンの様々な可能性を引き出しているところです。また、超絶技巧がたくさん盛り込まれていて、聴いていても見ていても聴く人を飽きさせません。

Q.より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。

――スケールの大きい演奏を目指しているので、長いフレーズ感を持って演奏することを心掛けています。また、たくさんのプロの演奏家の演奏音源を聴き、音楽の作り方のアイデアなどをもらうようにしています。日々ほんの少しの時間でも基礎練習を取り入れるようにし、技術の向上を目指しています。

Q.思い出のレッスンはありますか。

――今大学で師事している渡辺玲子先生に初めてマスタークラスで教えていただいた時、レッスンで弾いてくださる先生の演奏と、とても情熱的なご指導に圧倒されました。自分では思いつかなかったような音楽的なアイデアをたくさん教えていただき、曲がどんどん色彩豊かになっていくのを感じました。それと同時に、私ももっともっとたくさんの音の表情を表現したいという気持ちが強くなり、そのための練習は今も続いています。

Q.練習以外に音楽と向き合うためにしていることがあれば教えてください。

――ヴァイオリンを弾く時に体幹は大事なので、毎朝起きたらプランクなどの体幹トレーニングを取り入れるようにしています。また、私は自分の心の状態が演奏に大きく影響してしまうので、楽しい時も悲しい時や辛いことがあった時も、なぜそういう気持ちなのかを考え、自分の心の内を言語化して自分自身のことをよく知ろうと意識しています。

Q.最近のマイブームは何ですか。⑦今後の意気込みをお聞かせください。

――私は、特にマイブームはないのですが、食べることと人と関わることが好きなので、毎日美味しいご飯を食べて、学校で友達と笑い合いながら話せていることが私にとってとても幸せです。通学路の上野公園ではよく屋台の出るイベントが行われているので、その屋台で食べ物を買って食べるのはささやかな楽しみです。

Q.今後の意気込みをお聞かせください。

――来年は大きな本番を2つ予定していますので、そこに向けて日々練習を積み重ね、同時に体力作りと集中力を最後まで保たせる訓練をしていきたいです。もっとたくさんの曲を勉強し、私の演奏会にお越しいただいたお客様に、また次も演奏を聴きたいと思っていただけるようなヴァイオリニストになれるよう、精進してまいります。