第51回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞者インタビュー

井上佳音 ヴァイオリン部門高校2年生の部 第1位
B.バルトーク/ヴァイオリン協奏曲 第2番 Sz.112 第3楽章
Q.ご入賞された今のお気持ち・感想を聞かせてください。
――今回、このような評価をいただくことができ、大変嬉しく思っております。全日本ジュニアクラシック音楽コンクールでは、これまで思うような結果を得られないこともありました。幼稚園の頃に未就学児部門で審査員賞をいただいて以来、今回初めて第一位をいただくことができ、これまでの努力が実を結んだ喜びを感じています。今回の受賞は、順位以上に、自分の中にあった壁を一つ乗り越えられたという意味で、大きな励みとなりました。この経験を糧に、これからも多くのことを学び、音楽と真摯に向き合いながら、さらに成長していきたいと思います。
Q.レッスンの思い出、楽しかったこと、嬉しかったこと、大変だったことを教えてください。
――毎週、世界を舞台に活躍されている素晴らしい先生方のレッスンを受けられることは、私にとって大きな喜びです。音楽の解釈や知識はもちろん、「良い音楽家であるためにはどうあるべきか」「お客様に音楽の魅力をどのように伝えるか」など、たくさんのことを教えていただいています。レッスンのたびに、それまで考えもしなかった新たな視点や表現に出会い、自分の世界が少しずつ広がっていくことに楽しさを感じています。そして何より幸せなのは、先生方の素晴らしい演奏や音色をすぐそばで聴かせていただけることです。言葉だけでは分からなかったことが、先生方の演奏を聴くことで自然と理解できる瞬間があり、そのたびに音楽の奥深さや面白さを感じています。
Q.全国大会が終わった今、やりたいことを教えてください(音楽以外でも構いません)。
――これからは、ソロだけでなく、室内楽にもたくさん取り組んでいきたいです。私が通っている東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、通称「藝高」では、生徒が主体となって年4回開催する室内楽の演奏会「アカンサスコンサート」があります。私はこれまで、ピアノ五重奏やピアノ三重奏、2台のヴァイオリンとピアノのための作品などを演奏してきました。室内楽には、共演者と互いの音を聴き合い、一緒に音楽をつくり上げていく楽しさがあります。同じ作品でも、それぞれの感じ方や考え方に触れることで、新たな発見があることも魅力だと感じています。これからは、弦楽四重奏や弦楽八重奏、管楽器との室内楽、さらには邦楽器との共演など、様々な編成やジャンルの音楽に挑戦し、多くの作曲家の作品に触れていきたいです。そうした出会いを重ねながら、自分自身のレパートリーと表現の幅を広げていきたいと思っています。
Q.今後の目標、どんな音楽家になりたいか聞かせてください。
――音を聴いた瞬間に「あ、井上佳音の演奏だ」と感じていただけるヴァイオリニストになりたいです。技術を磨くとともに、自分にしかできない表現や音色を追求していきたいと思っています。そして、日本ではまだ敷居が高いと感じられることもあるクラシック音楽を、より多くの方に身近に感じていただけるような活動にも取り組みたいです。「音楽は世界共通言語」とよく言われますが、私自身、その言葉を実感する機会がたくさんあります。例えば、国際的なマスタークラスでは、言葉が十分に通じなくても、初めて出会った人と音楽を通して心を通わせることができます。言葉や文化の違いを越えて、人と人をつないでくれること。それが、音楽の持つ大きな力だと感じています。私も自分の演奏を通して、音楽の魅力や、誰かと心が通じ合う喜びを多くの方に届けたいです。自分ならではの表現や音色を大切にしながら、日本から世界へと活動の場を広げ、音楽を通して人と人をつなぐことのできる音楽家を目指していきたいと思います。


