2026年9月22日(火祝)に日暮里サニーホール・コンサートサロンで「岩谷綺香ピアノリサイタル~至極のオマージュ~」を開催いたします。リサイタルに向けて岩谷綺香さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。
インタビュー
今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。
この度、昨年に続き二度目のソロリサイタルを開催する運びとなりましたこと、この上ない喜びでいっぱいです。 昨年の初めてのリサイタルでは、多くの皆様に足を運んでいただき、私自身とても有意義な時間を過ごすことができました。誠にありがとうございました。
私は四歳よりピアノをはじめ、人生の大半を音楽と共に過ごしてきました。今回もゲスト出演していただく恩師の門倉美香先生をはじめ、これまでにご縁があり、お世話になっている皆様に、日頃からの感謝の意を込めて、一曲一曲を大切に演奏させていただきます。
前回のリサイタルは「私の門出」と、新たなスタートとして位置づけておりました。それから約一年間を過ごす中で、皆様のお力添えでたくさんの経験やご縁、音楽活動をする機会があり、さらに音楽観が深まり成長してきました。今回のリサイタルでは、その姿を演奏にのせてお届けしますので、お聴きいただければ幸いです。私は引き続き、これからの音楽活動においても日々精進して参る所存です。
最後に、この素敵な機会を再びくださった東京国際芸術協会様に、心から感謝申し上げます。
演奏する曲の聴き所などを教えてください。
フランツ・リストは「ピアノの魔術師」と呼ばれています。彼は、演奏において特に高い技術と表現力を持ち、聴衆を魅了する演奏能力から「ヴィルトゥオーゾ」という演奏の名手を表す称賛の言葉で呼ばれた、ピアニストです。超絶的な技巧のみならず、文学やソネット(イタリア語でできた14行からなる詩)、風景や建築物をもとに作曲をしたり、歌曲やオペラなどをピアノ独奏用に編曲したことでも非常に有名な音楽家です。
19世紀に聴衆を魅了していたリストですが、今回の副題を「至極のオマージュ」としたのは、リストの標題音楽を味わっていただきたいと思ったからです。
この時代、音楽界でもロマン主義的思潮の影響が強く現われ始めるようになり、音楽表現自体にも文学的・絵画的・劇的表現が好んでとり入れられました。バロック期までに見られた情景描写音楽とは異なります。描写の対象は心理的なものとなり、感情表出や内的表現に重点がおかれています。しかし、リストの理念は18世紀後半に興隆したそういった音楽とは明確に区別されています。なぜなら、リストの音楽は物語に沿って作曲されているものではなく、情景を描写したりするものでもなく、あくまで理念的なレベルで詩的素材に依拠するものだからです。リストは1855年に論文「ベルリオーズの《イタリアのハロルド》」で、「標題音楽」という用語を音楽史上初めて用いたのですが、彼の標題音楽の概念は、絵画的写実主義を用いようとしたのではなく、音楽における一般的観念を表現しようと試みていたのです。彼は、情景描写よりも音楽構成がより重要だと考えていました。
以上のことから、極限という意味の「至極」、フランス語で影響を受けた要素を自身の作品に取り入れるという意味の「オマージュ」を組み合わせて表現させていただきました。
またリストは、現代のピアノ・リサイタルの原型を作り出したことでも知られており、プログラムを暗譜で演奏することや、バッハからショパンまで幅広いレパートリーに取り組むことなどが挙げられます。このように音楽史において様々な功績を残し、晩年には後継者の育成にも努めたリストを、私は心から尊敬しております。
あなたにとって音楽とは何ですか。
音楽とは、私の人生を切り開いてくれた、唯一無二の存在です。ピアノをきっかけとして私は導かれ、趣味であり特技であり、仕事へとつながっています。 ピアノをやっていない自分を思い浮かべたのですが、そのような姿は全く想像できませんでした。それくらい音楽はあって当たり前で、私の人生そのものだということがわかりました。
音楽は、私を色々な世界へ連れて行ってくれます。素敵な景色を観せてくれたり、感情に寄り添い揺さぶられたり、いつも私の心を豊かにしてくれます。世界のあちこちで争いが絶えない中、私には他者と音楽を共有できる豊かな環境があり、その時間は本当に幸せなことだと心からそう思っています。
今ある幸せを大切に、これからも音楽と共に人生を過ごしていきたいです。
演奏会情報
出演者

岩谷綺香 Ayaka Iwaya ピアノ
青森県弘前市出身。青森県立弘前高等学校、弘前大学教育学部生涯教育課程芸術文化専攻卒業。弘前市内の中学校勤務を経て、上京。洗足学園音楽大学大学院音楽研究科器楽専攻修了。現在、川崎市内の中学校教諭として教壇に立つ。音楽指導の他にも、ライブ活動やYouTube配信、ピアノソロや伴奏などの演奏活動も定期的に行っている。

門倉美香 Mika Kadokura ゲスト・ピアノ
洗足学園音楽大学卒業、同大学専攻科修了。現在、洗足学園音楽大学大学院教授、ピアラピアノ国際コンクール審査員、日本ピアノ教育連盟会員。国際ヒナステラ協会名誉会員。第26回北関東ピアノコンクール最優秀指導者賞受賞。
曲目
F.リスト:愛の夢-3つのノクターン S.541/R.211 第3番 「おお、愛しうる限り愛せ」 変イ長調
F.リスト:巡礼の年報 第1年「スイス」 S.160/R.10 A159 Ⅰ. ウィリアム・テルの大聖堂 Ⅵ. オーベルマンの谷
G.フォーレ:ドリー組曲 Op.56 Ⅰ. 子守歌 Ⅲ. ドリーの庭 [ ピアノ連弾 ]
F.リスト:巡礼の年報 第2年「イタリア」 S.161/R.10 A55 Ⅴ. ペトラルカのソネット 第104番
グノー=F.リスト:歌劇「ファウスト」のワルツ S.407/R.166

