赤松里虹さん(ピアノ部門大学1年生の部第1位)第49回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞者インタビュー

赤松里虹さん(ピアノ部門大学1年生の部第1位)第49回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞者インタビュー

第49回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞者インタビュー

赤松里虹 ピアノ部門大学1年生の部 第1位

J.ブラームス/パガニーニの主題による変奏曲 第2巻 イ短調 Op.35

Q.ご入賞された今のお気持ち・感想を聞かせてください。

――このたびは、このような素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。今回演奏したブラームスの変奏曲は、高度なテクニックと豊かな表現力が求められるため、その両立に難しさを感じ、練習の中で行き詰まることもありました。そうした中で、この作品をより深く理解するために、ピアノの練習だけではなく時代背景やブラームスの心情、人柄について調べることで、多くの気づきや学びを得ながら少しずつ理想に近い演奏へとつなげていくことができました。自分なりに汲み取ったブラームスの想いを演奏で表現することを心がけておりましたので、当日、その想いが少しでも聴いてくださる方に伝わったことを大変嬉しく感じております。今回の受賞は、これまで支えてくださった先生方や友人、そして家族の協力があってこそ実現できたので、改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。

Q.これからコンクールに参加する人へアドバイスをお願いします。

――審査員の先生方からいただく講評は、どれも私にとって演奏を改善するための大きな助けになっています。多くのアドバイスを取り入れ、音楽を客観的に捉えていくことが、次の成長に繋がると思います。自分のイメージした音楽が必ずしも意図した通りに伝わるとは限らないため、録音機器を活用して自分の演奏を聴き直すことも、客観的に確認するうえでとても大切だと考えています。また、さまざまなホールで演奏することで、その場の響きやピアノの個性に合わせて工夫する力が身につくと思います。練習とは異なる独特の緊張感の中で音色の違いを実感できることは、とても貴重な経験になっていると感じます。

Q.今後の目標、どんな音楽家になりたいか聞かせてください。

――今後は、さらに新しいテクニックや表現を取り入れるために、現代曲にも積極的に取り組み、レパートリーの幅を広げていきたいと思っています。また、海外の講習会に参加することで、世界中の音楽家と交流し、異なる表現や文化に触れることで、自分自身をより成長させていきたいと考えています。これからも音楽を通して聴いてくださる方と気持ちを共有できるような演奏を心がけ、「今日この演奏を聴いてよかった」と思っていただける瞬間を届けられる音楽家になりたいです。