【優秀指導者賞受賞者インタビュー】森島恵先生
- 2025.09.22
- コンクールオーディション
- jcmcj, インタビュー, 優秀指導者賞, 第48回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール

2025年春に開催された「第48回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール」では、119名の先生が優秀指導者賞を受賞しました。
今回は、生徒様一人一人の成長に対して、短期的な成果だけではなく基礎をしっかりと築くことが最も大切だと考え細やかな配慮を持ちご指導されていらっしゃる森島先生にお話しを伺いました。
インタビュー
この度は第48回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール優秀指導者賞受賞おめでとうございます。弊会コンクールに関して先生の感想やご意見、レッスンされている際に心がけていること等をお聞かせいただければ幸いです。
早速ですが、ご入賞された生徒様にはどのような言葉をかけられましたか?
月並みですが、やはりおめでとう!よく頑張りましたね。これからも、また良い演奏ができるように努力を重ねましょう。と申し上げています。
先生からこのようなお声がけをいただけることで、生徒様も達成感と共にさらに次を目指す励みになっているのではないでしょうか。努力を認めてもらえる言葉は、本当に心に残りますよね。今回のコンクールで1番印象的だった思い出や出来事はありますか?
全ての生徒さんのコンクールが印象に残るので、特にというのは難しいですが、つい1、2年前には弾けなくて困ってお教室に入っていらした方がコンクールで別人のように良い演奏をされるように成長して下さり努力が形となって賞を頂いて輝かれる姿を拝見すると、本当に嬉しくご家族様と共に感動しています。
ご指導されている過程の中で、生徒様がこのような大きな舞台で成果を発揮し、形として結果をいただいた輝かしい姿を拝見すると感動で胸がいっぱいになりますね。
私自身も、幼少期よりクラリネットを始め、基礎から学びながら大学生のときに当コンクールへ挑戦した経験があります。初めて入賞をいただけたときは、本当に嬉しく、何よりもご指導くださった先生に驚きと共にこれまでの頑張りや成長を認めていただけたことが私にとって大きな支えとなったことが鮮明に思い出されます。
因みにレッスンの中では大切にされていることは何ですか?
やはり基礎を大切に考えています。コンクールや本番が続くとどうしても曲が中心になる事が多いので基礎とのバランスを大切にしています。目先の賞も大切ですがお子様の長いヴァイオリン人生を鑑みて基礎力をつけていく事を特に大切に考えています。
やはり、基礎がしっかりしていることで将来的にも安定した演奏につながっていくのですね。目先の結果だけでなく、その先を見据えて指導されている点がとても印象的です。基礎をしっかり丁寧に積み上げていく姿勢は生徒様にとって大きな財産になるのだと感じました。
先生はレッスンの中で基礎を大切にされているとのことですが、もし差し支えなければ、基礎を重視するようになったご経験や、そのように考えるようになったきっかけがあればお聞かせいただけますか?
私自身が幼い頃に大正生まれで、私1人しか生徒がいなくて本当にのんびりとした先生に習っていて、基礎をしっかりと習得するには、恵まれない部分があり、中学で先生が変わった時に幼い頃から基礎をしっかりと学ばれて、練習の意味を確実に理解している他の門下生の方々を目の当たりにして非常にショックを受けるとともに、その後、自分自身が大変な苦労をしたので、幼い頃にしっかりと基礎を学ばれることの大切さを痛感しています。テキストの一つずつを決して無駄にせず必ず学びがあるように、できる限りで様々な事をお伝えしています。そのような地味なことの積み重ねが大切だと思っています。
先生は理想の講師像のようなものはありますか?
将来、生徒さんが人生を振り返った時に、この先生に習って良かった、このお教室に通って良かったと、心から感じて頂けるような講師でありたいと努力しています。
最後に今回ご入賞された生徒様へ日頃なかなか直接言えないメッセージなどがあればお願いいたします。
皆さま本当によく努力されて、支えているご家族様も含めて真摯にヴァイオリンと向き合って下さっている事に心から感謝と尊敬の念を持っています。細かくて地味な事が多い指導にも音を上げず、色々な事を乗り越えている姿を間近で見て、生徒さん達が今後の長い人生でヴァイオリンのみならず様々な困難とぶつかったとしても必ずヴァイオリン同様、乗り越えていかれる礎となっていると確信しています。
お教室は、生徒達が大変仲良しで演奏会、ガラコンサートなどはお互いに応援に行ったりとても楽しい雰囲気ですが、皆さんが切磋琢磨して良い刺激となっていると思います。これからも皆さんを心から応援します!
インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。
プロフィール

森島 恵
もりしまめぐみ, ヴァイオリン
4歳よりヴァイオリンを始める。国立音楽大学附属高校を経て国立音楽大学を首席で卒業。武岡賞受賞。全卒業生中、唯一選出されて皇居内の桃華楽堂における御前演奏会に出演。同年の全国の音楽大学卒業生の代表として皇居内宮殿にての記帳を拝命する。東京文化会館大ホール、調布グリーンホール等での新人演奏会をはじめ、数々の演奏会にて大変な好評を得る。 国立音楽大学大学院に在学中、フランスにおいて名ヴァイオリニストのアーロン、ローザンド氏のマスタークラスを受講。また霧島国際音楽祭において、ゲルハルト、ボッセ氏のマスタークラスを受講。受講生代表演奏会に選出され、バッハ無伴奏ソナタを演奏。国立音楽大学オーケストラとサラサーテ・チゴイネルワイゼン、ヴィヴァルディ・四季などをソリストとして共演。同大学院首席で修了、音楽修士号取得。これまでソロ、室内楽等、幅広い活動を行う傍ら、国立音楽大学演奏員、NHK文化センター講師として後進の指導にあたり、 数々のコンクールの審査員も務める。本間健三氏、久保田良作氏にヴァイオリンを、小林道夫氏に室内楽を師事。
指導者としては、数々の国内、国外コンクールで優勝及び上位入賞等の生徒を輩出。また、これまで青森にたびたび招聘されてレッスンを行い、指導した生徒がコンクールで実績をあげるなど、地方の音楽のレベル向上にも貢献している。この様子に関して青森テレビの取材を受けている。
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