【インタビュー】2025年8月24日(日)吉村政子オーボエ・リサイタル

2025年8月24日(日)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンで「吉村政子オーボエ・リサイタル」を開催いたします。リサイタルに向けて吉村政子さん、木橋奏子さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。
インタビュー
今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。
吉村さん:今回のリサイタルは、私にとって人生で初めての挑戦です。ソロでの演奏経験はまだ浅く、出演を迷っていましたが、「今このチャンスを逃したら、次はいつ来るかわからない」と思い、思い切って決断しました。
伴奏を務めてくださる奏子先生には、これまで何度かコンクールでもご一緒いただいています。今回このように、二人で一つのリサイタルをつくり上げられることが本当に嬉しいです。
私は普段、会社員として働いています。今回は仕事で関わっている方々なども足を運んでくれる予定で、クラシック音楽にあまり馴染みのない方にも楽しんでもらえる機会になればと思っています。この演奏会をきっかけに「クラシックって意外と良いかも。今後も聴いてみたいな」と思っていただけるような、そんな時間を届けたいです。
木橋さん:今回のリサイタルでは、オーボエの政子ちゃんとともに、これまで積み重ねてきた音楽の対話をお届けできることを心から嬉しく思っています。コンクールを通して、音への感覚や表現を共有してきた私たちだからこそ生まれる響きがあります。
大学時代にさまざまな楽器と向き合ってきた中で、今、改めてオーボエという楽器の奥深さに魅了されている自分がいます。
リサイタルでは、古典から現代まで幅広い作品に挑み、ピアノとオーボエが織りなす多彩な世界を、会場の皆さまと分かち合えたら幸いです。
演奏する曲の聴き所などを教えてください。
吉村さん:今回のプログラムでは、さまざまなスタイルの曲に挑戦しています。
中でも、フンメルの作品は技巧的な要素が多く、「ザ・古典派」といった魅力をオーボエとピアノで感じていただけると思います。
一方で、平尾貴四男の作品は、日本人の耳にも親しみやすい旋律が多く、フランス音楽のエッセンスと日本的な情緒が美しく溶け合っています。その音楽のグラデーションを、ぜひ味わってください。
木橋さん:今回演奏する作品は、どれもオーボエとピアノの響きが巧みに溶け合い、各時代の個性が際立つ名曲ばかりです。
例えば古典派の作品では、構造の美しさや透明感ある旋律に耳を傾けてみてください。一方で近現代の作品では、音の陰影や緊張感、そして一瞬の静けさまでもが豊かな表現となってあらわれます。
曲を聴きながら、ぜひ情景や物語を自由に思い浮かべていただけたら嬉しいです。
私たち二人が心を合わせて紡ぐ音が、みなさまの心に響く瞬間があればと願っています。
あなたにとって音楽とは何ですか。
吉村さん:音楽は、私にとって「食事や睡眠のようなもの」です(笑)。
これまで何度か楽器から離れた時期もありましたが、気がつくとまた自然と音楽のある生活に戻っていました。今では、日々のルーティンの一部のような存在です。演奏することで、心が整い、生活にリズムが生まれます。
木橋さん:私にとって音楽とは、「言葉の奥にあるものを伝える手段」です。
喜びも、悲しみも、戸惑いも、すべて音に乗せて表すことができる。
演奏を通して、その人自身の心の動きが見えてくるような瞬間が、私は好きです。
一音一音に真剣に向き合い、そこに自分の感情や景色を重ねていくこと。それは、音楽という表現を選んだ私の原点であり、今も変わらない信念です。
だからこそ、どの舞台でも、聴いてくださる方の心にまっすぐ届く演奏をめざしています。
演奏会情報
出演者

吉村政子
Masako Yoshimura, オーボエ
北九州市出身。山口大学農学部卒業。会社員の傍ら音楽活動を継続。これまでにオーボエを宮村和宏、芳野円香、岡本雄貴の各氏に師事。2024年第26回九州音楽コンクール管打楽部門審査員特別賞、2024年度全日本管楽コンクール一般部門(U55)1位、第90回TIAA全日本クラシック音楽コンサート入選。

木橋奏子
Kanako Kibashi, ピアノ
山口市出身。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。学生時代より数々のコンクールで受賞を重ね、ソロ、伴奏、審査員として県内外で幅広く活動。あたたかく豊かな音色で、聴く人の心に寄り添う演奏を大切にしている。現在、山口短期大学児童教育学科准教授として後進の指導にも尽力。自宅教室「Music playground timbre」では、音楽を楽しむ心と自己表現の力を育むレッスンを行っている。
曲目
フンメル:主題と変奏 Op.102より抜粋
平尾貴四男:オーボエとピアノのためのソナタ 第一楽章、第三楽章より抜粋
シューマン:アダージョとアレグロ Op.70
他
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